この度、息子が小学校にあがりました。そこで驚いたのが入学式!
なんとドイツの入学式の日のお祝いは日本とはずいぶん違うんです!
では、ドイツの小学校の入学式がどういうものなのか、皆さんにお伝えしますね。
ドイツの入学式はその子、家族にとって一生に一度の大イベント。
ドイツでは9月前後に小学校の入学式があります。
州によって入学式の日は違うのですが、うちは8月の第三土曜日にありました。
日本と大きく違う所、それは入学式の日のお祝いが盛大な所でしょう。
もちろん日本でも小学校の入学式は家族にとって重要な日です。
でも私の経験では、日本の小学校の入学式に来るのは家族といっても父と母、またお祝いといっても式に参列して写真をとるくらいでした。
それでも大きなお祝い事として想い出に残る行事だったのですけどね。
ドイツの小学校の入学式の日はそれに輪をかけてすごいという!
まず入学式当日は空っぽのランドセルをしょって学校まで行きます。その時点から祝福は始まります。
道行く人々が私たちに向かって「入学おめでとう!」と声をかけてくれます。
自転車に乗ってる人たちにもすれ違う時に声をかけられてとても嬉しかった!
そう、この日は新一年生が街の主役なのです。
ドイツの入学式で特徴的なのが、Zuckertüte(ツッカーテューテ)という、お菓子やおもちゃ等が沢山つまった三角形のコーンの形をした袋をもらう事です。
1メートルくらいある大きいZuckertüteを持って写真を撮るのが伝統的な入学式の記念写真スタイルです。
式といってもそんなに堅苦しいものではなく、上級生の歌やダンス、演劇などの歓迎もあり、実に和やかで微笑ましいのがドイツ流です。
入学式は2時間ほどなのですがお楽しみはそれからなのです!
両親だけでなく、祖父母、叔父叔母、いとこなどの親戚一同ぞろぞろやってきて一日中パーティをするのです。
その家族によって祝い方は様々なのですが、レストランのテーブルを貸し切ったり、船上クルージングパーティしたり。ボーリング場のレーンを貸し切ったり!
その日は遊園地やホリデーパークにもテーブルを貸し切ってケーキや飲み物がついてる特別プランや特別イベントがあったりします。
新一年生はそのパーティで親戚などからまたまた沢山のZuckertüteをもらいます。
ホントにどの家庭も大々的にお祝いするので驚きました。結婚式の次に盛大なんじゃないかってくらい。
うちはレストランのテーブルを予約して飲み放題つきビュッフェスタイルのパーティにしました。
そのレストランはその日は入学祝の予約客のみ。店内は楽しく飾り付けしてあって、レストランからのプレゼントももらえました。
ゼクト(スパークリングワイン)もあって、なかなか豪華でしたよ。こども達にはノンアルコールのゼクトで乾杯!
パーティは夜まで続きました。
入学祝いのパーティの予約は早めに!
そんなこんなで一大イベントである入学式の日。どの家庭も盛大に祝うため、その日はどのレストランもどの遊園地もお祝いする人でいっぱいです。
パーティをする会場はあっという間に予約で埋まってしまうので、半年くらい前から予約しておく必要があります。
私たちはやりたい会場が決まっていたので半年前くらいに予約しました。
ちょうど学校から近く、子どもたちの遊べるガーデンや遊具がついているレストランで、ホームページをみると入学式ビュッフェプランがあったので、ここは押さえておきたいと思い迷わず予約!
大正解でした。
新一年生がもらう大きな三角コーン、Zuckertüteって何?
「Zuckertüte」(ツッカーテューテ)とはドイツ語で「砂糖の袋」を意味します。円錐や多角錐の形をした細長い袋で、ほとんどの場合、こどもの好きな絵や飾りのついた厚い紙でできています。
中身はお菓子やおもちゃ、文房具、ぬいぐるみなど沢山つまっています。
袋から山もりになるように中身を詰めるのがポイント。
袋の頭にはネットや布がついていて、リボンなどでしばれば、山盛りにつめても中身がこぼれないようになっています。
Zuckertüteの歴史
Zuckertüteの起源は19世紀にさかのぼります。ドイツのザクセン州、ザクセン=アンハルト州、チューリンゲン州で始まりました。
当時、子供たちが小学校に入学する際に、親や家族からお菓子や小さな贈り物が詰まった袋が贈られるようになりました。この伝統は、新しいステップを踏み知識の旅が始まることを祝福し、子供たちに対する励ましとモチベーションを高める目的で行われました。大都市で始まりましたが、すぐに小さな町や村に広がり、すぐにドイツ全土に定着しました。
確かに新一年生は今までの幼稚園生活からガラッと変わって、机に向かって毎日勉強ってなんだか辛そう、学校って楽しいの?という不安もあるでしょうね。
でも、沢山の人から祝福されてしかもこんなに沢山お菓子やおもちゃが入ったZuckertüteをもらったら、なんだか不安が吹き飛んで、この先学校が楽しみになりますよね!
Zuckertüteはドイツの入学式には必須
ドイツで入学式を迎えるご家庭へ。
うちはお菓子をあげたくないから、とか、別でプレゼントあげるから…と思っても、必ず一つは用意してあげてください。
というのもZuckertüteは入学式でとても重要な役割があるからです。
入学式では、先生が子ども一人一人の名前をよび皆の前でZuckertüteを手渡しする、式の要のような儀式があります。
(入学式で渡すZuckertüteは保護者が事前に用意し、学校に預けておきます。)
その後、それぞれZuckertüteを持ったクラス写真の撮影もある場合がほとんどです。
その時に自分の子どもだけ持っていなかったらあまりにも可哀そうなので、家庭の方針ともかく必ず用意してあげてください。中身はお菓子じゃなくても服や文房具でもいいのです。
式で渡されるのはその1つですが、その後のうちわのパーティで親戚などからも沢山のZuckertüteをもらいます。
息子がもらったZuckertüteは最終的に大小合わせて9本!沢山もらってご満悦の様子でした。
まるで大きなアイスクリームを抱えているように見えてとてもかわいいですね!
Zuckertüteはどこで買える?
Zuckertüteは春先になると店頭に並び始めます。文房具屋、雑貨屋、大き目の本屋などに売っている事が多いですね。ネットでも取り扱いがあります。
厚紙でできたもの、布でできたもの、自分でDIYできる材料のセットなど様々です。
ほとんどの場合売っているのは円錐状の入れ物だけで中身は入っていないため、中身は別途用意する必要があります。
ドイツの入学式の服装は?
ドイツの入学式で一番悩んだのが保護者の服装です。
日本では、かなりフォーマル。男性はスーツ、女性もスーツかワンピ―スでカチッとした皮のバッグや靴を揃えるのではないでしょうか。
ドイツの入学式は、「その地域や学校による」というなんともアバウトな情報しかなかったので、ちょっと困りました。
実際どうだったかというと・・・。なんか気合入れなくて良かったみたい。
私の地域は若い人が多く、カフェやバーなどが多い活気のある街なのですが、わりと「スマートカジュアル」が多かったように見えました。
かなり暑い日だったので、スーツのジャケットを羽織っている人はほぼいなかったです。
男性は襟付きの半袖シャツとチノパンっぽいズボン、ネクタイはしていない方が多数。
女性は柄つきワンピースと素足にサンダルという姿が多かったです。バッグはポシェット型のものをななめがけしている人が多かったです。
ストッキングをはいてレザーのパンプスを履いていたのは私くらいでちょっと浮いたかもなぁ。
子どもの服装は、男の子は襟付きシャツに蝶ネクタイ、ズボンは半ズボンの子が多かったです。女の子はほとんどがワンピース姿でした。
靴はサンダルとスニーカーの子が多く、フォーマルな革靴を履いている子はほとんどいなかったと思います。
特別に暑い日だったのでこんな感じですが、涼しかったら服装も変わっていたでしょうね。
でも友人の話を聞くと意外とフォーマルが多かったというし、やっぱり「その地域や学校による」が正解なのでしょうか。
ドイツの入学式は子ども達にとって忘れられない思い出
ドイツの小学校の入学式は日本とはまた違う楽しい驚きと発見の連続でした。
沢山の祝福とZuckertüteをもらった子どもたちにとって、この日は忘れられない思い出になる事間違いなしですね!
我が子も次の週から小さな体に大きなランドセルをしょって元気に学校に通っています。