ドイツの年末年始の過ごし方。超過激な年越しカウントダウン!

ドイツ生活

日本では家族皆でしっぽりとこたつに入って年末番組を見ながらカウントダウンし、元旦はおせち料理を食べて過ごす年末年始。

ドイツの大晦日やお正月はどうやって過ごすのでしょうか。

実はドイツの年越しは日本とだいぶ違います。特にカウントダウンはかなり過激でビックリなのです!

今回はそんな驚きの年越し、大晦日に食べる物、正月にする面白い占いなど、ドイツの年末年始の過ごし方についてご紹介します。

年越しは友人と

ドイツのクリスマスはおうちで静かに家族で過ごします。お店もクリスマスマーケットも23日までがほとんどで、イブとクリスマス当日は町はひっそりと静まり返り聖なる日を祝います。

一方、年末年始はそれと打って変わって、お友達と集まってパーティをしたり外に繰り出しクラブやパブでワイワイ賑やかに過ごします。

ドイツではクリスマスは家族のためのもので、大晦日お正月は友人と楽しむためにあります。対して日本はクリスマスは友人や恋人と、年越しは家族と祝う人が多いですよね。反対なのが興味深いですね!

大晦日の夕方からそれぞれおつまみやお酒、花火やクラッカー、パーティグッズなどを持ち寄って集まって、即飲み会開始。おしゃべりに飽きたら途中でみんなで遊べるゲームなどをします。普段の集まりではゲームなんかしないけど不思議と年越しパーティだとゲームしようって雰囲気になるんですよね。しかもすごくバカバカしいジェスチャー当てゲームとかで大盛り上がりです。

ドイツでは大晦日を”Silvester”(シルベスター)といって、元旦よりも大晦日から年明け直後が一番盛り上がりを見せます。

さて、ここまでは、皆さんにも想像できるヨーロッパ風大晦日で特に驚きはないかと思います。

でもここからなのです。ここからがドイツの年末年始の見せどころ、ドイツ式カウントダウンです!

年越しカウントダウンは街中ロケット花火が飛びまくる!

さて、11時ごろになると外にはだんだん人が増え、ぞろぞろと道沿いに集まりだします。
何を見るんでしょうか。大きなイベントでもあるんでしょうか。

いや、やるんです。

みなの手にはロケット花火や爆竹が握られています。
買ってきた家庭用花火を自分たちで打ち上げるのです!ロケット花火や、打ち上げ花火、爆竹やらネズミ花火、とにかくあらゆるものを一気に打ち上げるのです。

カウントダウンのあと元旦を迎えるととにかくすごい数の家庭用花火が打ちあがります。
しかも縦横無尽。橋の下なんかにいようものなら、上から花火が飛んでくるので危険すぎる!
たまに倒れて横に飛んできて群衆に突っ込んできたりするし、ひやひや。

このビデオは実際私が経験したカウントダウン後の風景です。

びっくりでしょう!?というかあぶな!

家庭用花火もここまで一気にあがると見ごたえもあるし、みんなで参加してる感があって盛り上がりますよね。

初めてドイツに来た時は、夫が「カウントダウンはジゴクみたいになるヨー」と言っていて、またまた何を大げさに言っているのか、正月に地獄だなんて、と思っていたんですが本当でした。なんとも過激で恐ろしい、と最初見たときは驚きました。

大きな街では、ちゃんとした打ち上げ花火も上がります

ちゃんとした、というのもなんですが、大きな街ではカウントダウンには自治体が企画した打ち上げ花火も打ちあがります。

そういう地域では、打ち上げ花火も打ちあがるし個人のロケット花火も打ちあがるしで、年越しは街中花火の海で大変見ごたえがあります。

上のビデオはドレスデンの例で、市がやってるちゃんとした打ち上げ花火も遠くに上がってるのですが、それも目立たないくらい個人の花火が主張しちゃっていますよね。

お子さんは大晦日の夕方以降は出かけないほうが良い

そんな感じでカウントダウン時は楽しい反面、そこら中大変危険な状態となります。

ドイツでは毎年年越しのカウントダウンで飛んできた花火によって何件も火災が発生するほどです。

大晦日はカウントダウン前から花火を始めてしまう人も多く、町では一日中花火の音がしています。

お子さんがいる家庭や不安な方は大晦日の夕方以降は外に出歩かず、年越しは屋内ですることをお勧めします。普通の道の歩道などで打ち上げ花火をしている場合も多く、間違って飛んで来ることもあるかもしれません。酔っ払いも町に溢れますからね。

私も子どもが生まれてから、外ではカウントダウンしていません。テレビでもセレブリティがカウントダウンする様子が見れるので、それでカウントダウンした後、「今年も派手にやってるなぁ」と言いながら窓の外のロケット花火の海を眺めるのが恒例となっています。ちょっと羨ましい。

花火はお正月時期でないと買えないドイツ

ドイツでは花火は12月以外は売ってはならないという法律があります。原則には売ってよいのは大晦日の三日前から大晦日の日までだそうです。(もう少し前から売ってるの見たことある気もするけれど)

というのも、いつでも買えてしまうと、マナーを守らない人達が花火をどこででもやろうとしたり、改造して威力を強めたものを作ったりなどで危険が絶えなくなるからだそうです。

日本人としては夏に花火をしたくなりますが、夏には売ってないのでちょっと寂しいですね。

またドイツでは病院、教会、養護施設や老人ホームなどの施設の近くでは花火は禁止されていますので、お近くにお住まいの場合は注意が必要です。

続いてはドイツの正月の面白い占いについてです。

Wachsgiesenで新しい年を占う

ドイツのお正月の面白い習慣として、Wachsgiesen(ヴァクスギーゼン)という占いがあります。

銀色のロウをスプーンに入れてろうそくの火であぶって溶かし、そのあと水に落とします。水の中で固まったロウの形が何に見えるかで新しい年を占うというもの。

Wachsgiesen(ヴァクスギーゼン)のセットは年末になるとスーパーや雑貨屋で売っています。スプーン1本と銀色のロウがいくつか入っているセットなので複数人で遊べます。ロウがいろんな形でかわいいですよね。セットのほかに、あぶるのに必要な蝋燭と水を張ったボールを準備します。

Wachsgiesen set
Wachsgiesenのセット(ロウは6つ入っていました)

まずスプーンの上に銀色のロウをのせて、蝋燭の火の上であぶって溶かします。溶けるときはちょっと変なにおいがします。

形がなくなるくらいドロドロにとけたら、水の中に一気に落とします。

するとロウがすぐに固まるので、その形が何に見えるかで占います。

はっきり言ってほとんどの場合何かわからない形ができますが、心の目で見るのです!なんとなーくそうみえるかも、でOK。

私はこんな形になりました。息子がすかさず「やどかりだー!」と言ってくれたのでヤドカリということにしました。

新しい年もまた海に行けるってことなのかしら。

やどかり・・・?

本来は鉛を溶かして占うものだった

実はこの占い、本来は鉛を溶かして占うもので名前もBleigiesen(ブライギーゼン)と呼ばれていたのですが、近年、鉛を使用することが禁止されてしまったため、材質を鉛ではなく銀色に色付けされたロウで代用するようになりました。そのため名前も鉛を意味するBleiからロウを意味するWachsに変わったというわけです。でも鉛のほうが立体的で面白い形ができるため、ロウになってから水面に平たい形にしか広がらず前のほうがよかったという人は多いです。

とはいえ皆でワイワイやって楽しい占いなのでとってもおすすめです!

ドイツ語の年末年始の挨拶

ドイツでも日本と同じく年末年始に交わす言葉があります。

まず年が明ける前、年末最後に会った時の別れ際に言う言葉、「良いお年を。」に当たる挨拶はドイツ語で、”Guten Rutsch ins neue Jahr.”(グーテン ルッチ インス ノイエ ヤー)です。”Guten Rutsch!”(グーテン ルッチ)だけでもOKです。

一方、年が明けた後の「明けましておめでとうございます。」に当たる挨拶は”Frohes neues Jahr”(フローエス ノイエス ヤー)といいます。

省略して”Frohes neues”(フローエス ノイエス )ということもできます。

カウントダウンが終わった直後は、”Frohes neues”(フローエス ノイエス )と言いながら、ハグをしたりキスをし合う光景が見られます。

ドイツのお正月の食べ物は

ドイツには日本でのおせち料理にあたるような、正月にしか食べない伝統的な料理はありません。

大晦日のパーティで食べるものは人それぞれですが、オイルフォンデュや、スープフォンデュ、ラクレットをする事が多いです。

オイルフォンデュは卓上で鍋のようなもので油を熱し、細長いフォークに一口大に切った肉を刺し、各自揚げて食べるものです。野菜やエビもあげる事があります。卓上の衣なし串揚げみたいな感じですね。

スープフォンデュはオイルフォンデュの油がクリアスープになったもので、透明なコンソメスープを卓上の鍋で熱しながら、フォークに刺した肉や野菜をその中で各自ゆでて食べるというものです。角切り肉のしゃぶしゃぶ、と言ったら分かりやすいかな。

ラクレットはアルプスの少女ハイジでご存知の方も多いかと思いますが、溶かしたチーズを野菜や肉、パンなどにかけて食べるスイスの料理です。ドイツでは卓上ラクレット専用機というものが売られていて、上段の鉄板で肉や野菜を焼き、下段には四角いミニミニフライパンのようなものが4~5つくらいセットできて、ラクレットチーズを小分けに加熱して溶かせるようになっています。

上段の鉄板の肉や野菜が焼けたら、各自お皿にとり、溶かしたラクレットチーズのミニフライパンをとりだし、ダーっと上からかけて熱々のうちにいただきます。

飲み物は断然スパークリングワインが多く、カクテルも飲むことが多いです。あ、ビールはデフォルトの上、ですよ。

おつまみにカルパッチョやキャビアが出る事も多いです。

あれ、お正月にはベルリーナーやブレーツェル(プレッツェル)を食べるんじゃないの?

ネットではよくドイツの年末年始は「ベルリーナーを食べる」「ブレーツェル(プレッツェル)を食べる」と紹介されていますが、実際どの年越しパーティに行ってももベルリーナーやプレッツェルを出された事はありません。

私もドイツに来た当時はそうだと思っていたのですが、実際特別に食べられてる様子はないので、あれー?と思いました。

私のドイツ人夫に「ベルリーナーやブレーツェルを食べるの?」と聞いても、「そうなの?知らなかった。」というくらいなので、食べる人もいるとは思いますが、少なくとも現代はそんなに一般的でないのかもしれません。

それよりオイルフォンデュやラクレットの方が好まれている感じがします。年末年始でなくてもベルリーナーやブレーツェルは食べられるので特別感もないですしね。

年末年始はクリスマスマーケット開いてる?

ドイツのクリスマスマーケットは大体、12月23日か24日でおしまいです。

年末に一部再開されるマーケットもありますが、有名なドレスデンのStriezelmarktやニュルンベルクのChristkindlesmarkt、シュトゥットガルトStuttgarter Weihnachtsmarktなどは終了しています。また再開されるマーケットでも大晦日と元旦は閉まっている場合が多いです。

正月の休みを利用してドイツ旅行を計画する方も多いかと思いますが、クリスマスマーケットを狙って年末年始に旅程を組むのはあまりおすすめしません。
クリスマスマーケット狙いでドイツに旅行したい場合は、もっと前倒しで休暇をとって行くのをおすすめします。

下の記事でクリスマスマーケットによい日程をまとめていますので参考にしてみてくださいね。

正月明けの仕事はじめは?

お正月を迎えると、1/2からはあっさりと通常の日常が始まり、仕事も開始です。公式の正月休みは元旦だけなので驚くかもしれませんが、ほとんどの場合、会社はクリスマス前から元旦にかけてずーっとお休みなので割と休暇は長いですよ。元旦だけ休みという人はほとんどいないはずです。

日本人としては1月3日までゆっくりすればと思うのですが、お正月をゆっくり過ごすという考えはドイツにはなく、十分クリスマス休暇を楽しんだその最後にカウントダウンで打ちあがって浮かれた気分を締めておしまい!といったところなのでしょうかね。

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